ウィンチェスター・ミステリー・ハウス|謎多き幽霊屋敷の真実

北アメリカ

カリフォルニア州サンノゼにある「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」(公式サイト)。この館は、銃器メーカー「ウィンチェスター・ライフル」の財産を受け継いだ未亡人、サラ・ウィンチェスターが建築した。しかし、この屋敷は単なる大邸宅ではない。増築を繰り返した結果、行き止まりの廊下や、どこにも繋がらないドア、天井へ続く階段などが多数存在する。

この奇妙な構造の背景には、サラ・ウィンチェスターの「恐怖」と「呪い」がある。ウィンチェスター家には何が起こったのか? そして、この屋敷には何かが潜んでいるのか?


ウィンチェスター家を襲った呪い

サラ・ウィンチェスターは、ウィリアム・ウィンチェスターの妻であり、ウィンチェスター・ライフルの遺産を相続した。しかし、彼女の人生は決して幸福ではなかった。

1871年、娘アニーを生後数週間で病気により失い、1881年には夫ウィリアムも肺結核で亡くなった。短期間で家族を失ったサラは、ある霊能者の言葉により運命を変える。

その霊能者はサラに告げた。

「あなたの家族は、ウィンチェスター銃によって命を奪われた魂の呪いを受けています。この呪いを逃れるには、工事を止めてはいけません。屋敷を建て続ければ、亡霊たちがあなたを探し出せなくなるでしょう。」

この言葉を信じたサラは、カリフォルニア州サンノゼに土地を購入し、1884年から屋敷の建築を開始した。そして、この工事は1922年に彼女が亡くなるまで続けられた。


迷宮と化した屋敷

通常、建築には設計図がある。しかし、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスにはなかった。サラは霊たちと交信し、翌日の建築計画を決めていたという。その結果、屋敷には不可解な構造が多く存在する。

屋敷の奇怪な特徴

  • どこにも繋がらないドア:扉を開けると壁、または何もない空間。
  • 天井へ続く階段:登ると天井で行き止まり。
  • 行き止まりの廊下:突然終わる通路。
  • 床の窓:本来壁にあるはずの窓が床にある。
  • 13段の階段:13段の階段、13の窓、13個の装飾などが点在。

これらはすべて、霊たちを惑わせるために設計されたという。しかし、霊たちは本当に騙されていたのか?


屋敷に現れる幽霊たち

ウィンチェスター・ミステリー・ハウスは、今や観光名所となっている。そして、ここを訪れた人々は「奇妙な体験をした」と証言する。

目撃された怪異現象

  • 謎の足音:誰もいないはずの廊下から響くブーツの音。
  • 幽霊の職人:夜、建築作業をする幽霊が目撃される。
  • 勝手に閉まるドア:何もしていないのにバタンと閉まる。
  • 影のような存在:遠くに人影が見えるが、近づくと消える。
  • ささやく声:誰もいない部屋から聞こえる囁き。

観光ガイドによれば、「サラ・ウィンチェスターの霊も目撃される」とのこと。彼女は今もなお、屋敷を見守り続けているのかもしれない。


迷宮の謎は解けるのか?

ウィンチェスター・ミステリー・ハウスは、サラ・ウィンチェスターの死後もそのまま保存され、博物館として公開されている(Visit California)。しかし、この屋敷の「呪い」は今も解けていないのかもしれない。

彼女が建て続けた理由は、霊たちを惑わせるためだったのか?それとも、彼女自身が霊に操られ、終わりなき建築を続けていたのか?

ある霊能者は言う。

「この屋敷は未完成ではない。霊たちにとって、今が完成形なのです。」

迷宮の中で今もさまよう霊たち──そして、それを見守るサラ・ウィンチェスターの魂。あなたがこの屋敷を訪れるとき、彼女が作り上げた「呪われた迷宮」の真実を垣間見ることになるかもしれない。

それでも、足を踏み入れてみたいと思うだろうか?

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