ネット上には、検索してはいけない都市伝説が数多く存在する。その中でも「バックルームズ(The Backrooms)」は、現実からズレた異次元の空間として多くの人を魅了し、恐怖させてきた。今回は、このネット発祥の都市伝説を深堀し、その正体と拡散の背景について詳しく解説する。
バックルームズとは? その正体と起源
バックルームズとは、2019年に匿名掲示板「4chan」に投稿された一枚の写真から始まった都市伝説だ。その画像には、黄ばんだカーペット、蛍光灯がチカチカと点滅する天井、どこまでも続く無機質な壁が広がる空間が映し出されていた。
この写真とともに投稿された説明には、「現実からズレてしまった人間が迷い込む場所」とされており、一度入り込むと二度と現実世界には戻れないとされる。この設定がSNSや動画サイトで拡散され、ネット上で独自の進化を遂げた。
バックルームズはただの奇妙な部屋ではなく、複数の階層(レベル)が存在するとされる。各レベルには異なる特徴があり、進めば進むほど異形の存在や危険が増していくという。
バックルームズの階層と異形の存在
バックルームズには、レベル0から始まり、無限に近い階層が存在するとされている。ここでは、特に有名なレベルとその恐怖を紹介する。
レベル0(初期層)
- バックルームズの入り口であり、最もよく知られている空間。
- 黄ばんだカーペット、無機質な壁、蛍光灯の光が特徴。
- どこへ進んでも同じような景色が続き、出口がない。
- 時折、奇妙な囁き声や足音が聞こえることがある。
レベル1(変異層)
- 壁の色が変化し、蛍光灯の点滅が激しくなる。
- 異形の存在(エンティティ)が出現する可能性がある。
- 一部の探索者によると、「影のような存在がこちらを見ている」との証言も。
レベル2(危険層)
- 温度が異常に高く、蒸し暑い空間が続く。
- 人型ではないクリーチャーが徘徊しているとされる。
- 物音を立てると、存在がこちらに気づき、追いかけてくる可能性がある。
バックルームズの階層は無限に存在し、一部のネットユーザーによって「レベル999」や「レベル∞」などの追加設定が作られ続けている。
バックルームズの拡散とネット文化
バックルームズがここまで広まった理由の一つは、**「現実にありそうでない空間」**という絶妙な設定にある。見る者に「もしかして、これは本当に存在するのでは?」という錯覚を抱かせることで、好奇心を煽る。
また、ネット上ではバックルームズを題材にしたゲームや動画、創作作品が次々と生まれ、都市伝説としてのリアリティが増していった。
特に、
- YouTubeの「バックルームズ探索動画」
- Redditでの「バックルームズで見た奇妙なもの」の投稿
- ゲーム『The Backrooms』の登場 などが影響し、より多くの人々に広まる結果となった。
バックルームズは本当に存在するのか?
ネット上には、「実際にバックルームズに入り込んだ」という体験談がいくつか存在する。共通する証言として、
- 突然、日常空間が歪み、見覚えのない廊下に迷い込んだ。
- 出口を探しても、どこへ進んでも景色が変わらなかった。
- しばらく歩き回った後、気づいたら元の世界に戻っていた。
こうした話が本当かどうかは定かではないが、「バックルームズ的な空間が現実に存在しているのではないか?」という議論は続いている。
なぜバックルームズはここまで恐れられるのか?
バックルームズの恐怖の本質は、**「異世界に迷い込むことへの恐怖」**にある。
- 脱出不可能な閉鎖空間 → 「無限に続く廊下」は人間の心理に強い不安を与える。
- 馴染みのある空間の歪み → 一見するとオフィスや建物の内部のようだが、どこか不自然。
- 得体の知れない存在 → 何かがいるのは確かだが、それが何なのかは分からない。
これらの要素が組み合わさることで、バックルームズは単なる都市伝説ではなく、「検索してはいけない空間」として恐れられている。
まとめ
バックルームズは、ネット発祥の都市伝説の中でも特に人気があり、多くの派生作品が生まれている。その魅力は、
- 現実にありそうでない不気味な空間
- 終わりのない探索という絶望感
- ネットユーザーによる設定の拡張 にある。
「もし、本当にバックルームズに迷い込んだら…?」 そんな考えが頭をよぎるだけで、背筋が寒くなる。
あなたも、うっかりこの世界のどこかに存在するバックルームズの入口を見つけてしまわないように注意したほうがいいかもしれない…。