映画撮影中に“チャンプ”を捉えた?湖に現れた謎の影の正体とは?

シャンプレイン湖を上空から捉えた昼間のドローン映像。水面下には長い首とヒレを持つ謎の巨大な影が映り、近くには小さなボートが浮かんでいる。

アメリカ北東部に広がるシャンプレイン湖。この全長200kmを超える巨大な淡水湖には、かねてより「チャンプ(Champ)」と呼ばれる未確認生物が潜んでいるという伝説が語り継がれている。

“アメリカ版ネッシー”とも呼ばれるこの怪物は、数世紀にわたりさまざまな目撃証言や写真が報告されてきたが、その存在は未だ確証を持たれていない。

そんな中、2023年8月、一本のドローン映像が注目を集めた。映画撮影中に偶然“チャンプ”らしき謎の生物が映り込んだというのである。


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映像に映り込んだ“何か”──偶然の発見

映像を撮影したのは、映画『Lucy and the Lake Monster』を制作中だったリチャード・ロッシ氏とケリー・テイバー氏。彼らが湖の空撮映像を確認していた際、画面右下、水面のすぐ下を滑るように動く黒い影を発見した。

「湖の風景を撮っていただけだった。まさかチャンプが写っているなんて思いもしなかった」
― ロッシ氏

この映像は同年8月11日、Eternal Grace Churchという宗教団体を通じて発表された。ロッシ氏は懐疑的な立場を取りつつも、「これは本物だと思わざるを得ない」と語り、一方のテイバー氏は「信じてきたチャンプの姿が、ついに映像として現れた」と興奮を隠さなかった。


公開された映像──ただの影か、伝説の生物か

YouTubeに公開されたのはわずか10秒程度のクリップ。水中に見える物体ははっきりとした形こそ見えないものの、動いているようにも見える影が確認できる。

「これは編集された映像ではなく、リアルなドローン映像だ。何かが確かに水中を泳いでいた」
― テイバー氏

彼はこの発見が映画にも大きな影響を与えたと語る。『Lucy and the Lake Monster』はチャンプを探す少女と祖父の物語であり、偶然とはいえ“本物らしき存在”を撮影できたことは、作品に現実味を加える出来事となったという。


1977年の“マンシー写真”との比較──今回の映像が注目される理由

チャンプの姿が捉えられたとされるマンシー写真(1977年)
1977年に撮影された有名な「マンシー写真」。水面から首のようなものが突き出しており、当時からチャンプの証拠として注目されてきた。
画像出典:Sandra Mansi / Public Domain(米国)

この映像が注目を集めている理由の一つに、過去最も有名なチャンプの証拠とされる1977年の「マンシー写真」との比較がある。

しかし、今回の映像にはそれを超えるいくつかの科学的優位性がある。

  • 比較対象として船が映り込んでいる(全長約3.6m)。生物はそれより大きく見える。
  • 水深の深いエリアで撮影。浅瀬の岩や砂丘の誤認ではない可能性。
  • 正確な撮影位置が特定されている。証言により検証可能。
  • 高解像度ドローンで撮影された映像。約5分の未公開映像あり。

さらに初期分析では、「首が長く、鰭を使って推進しているように見える」という特徴が、古代爬虫類プレシオサウルスに似ているとされている。


疑問の声も──“プロモーション目的ではないのか?”

だが当然ながら、この映像を疑問視する声もある。

長年チャンプの調査を行ってきた研究者ケイティ・エリザベス氏は、冷静な視点から映像の真偽に懐疑的だ。

「撮影場所は、シャンプレイン橋近くの浅瀬だと思う。あのエリアには、大きな岩や砂丘が水面下に点在していて、過去のドローン調査でも何度も確認している」

彼女は、ドローンが上昇しながら撮影されたことによる視覚的錯覚の可能性や、映像が突然終了する点に不自然さを感じると述べた。

「本当にチャンプだったらいいとは思うが、今回の映像は岩か砂丘だと考える」と結論づけている。


果たして“本物”は現れたのか──真実は科学の手に委ねられる

ロッシ氏によれば、この映像は博士号を持つ科学者グループによる正式な解析が進行中であり、翌年には査読付き論文として公開予定だという。

人々が夢見た“チャンプ”の姿は、本当に記録されたのか? それとも錯覚とロマンが生んだ影だったのか?

今はまだ結論を出すには早い。しかし、湖の底にうごめく謎の存在は、確かに再び我々の想像力を刺激している。


参考・出典

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